うつ メンタルヘルス

「子どもがうつ病かも・・」家族としての向き合い方を公認心理師が解説します

2022年7月25日

お子さんが落ち込んでいたり、元気がなかったりすると不安な気持ちでいっぱいになりますよね。

子どもがうつ病かもしれないと思ったり、うつ病と診断されたりして、今後どう接していいか分からず、自分のことを責めてしまう方もいるかもしれません。

当記事では、「子どもがうつ病かもしれない・・」と思っている、もしくはすでに病院で診断されたご家族さんに向けて、子育て中の公認心理師の目線でお伝えします。

子どものうつ病について

子どもでもうつ病にかかると言われており、青年期(中高生)のうつ病にかかる割合は、100人に1~7人と言われています。

また、児童期(小学生)の子どもでも100人に2~3人(2.8%)がかかるというイギリスでの結果が出ています。

子どもの様子がいつもと違うのであれば、うつ病の可能性を考える必要もあります。

もしお子さんがうつ病かもしれないと感じたのであれば、お子さんだけの問題ではありませんし、他にも悩んでいるご家庭があります。

参考:「子どものうつ病 発達障害の視点から一傳田健三」

子どものうつ病の症状について

子どものうつ病の症状については、以下のように挙げられます。

こころのサイン

 ・憂鬱で悲しい気持ちがずっと続く

 ・無気力、無関心

 ・意欲、集中力、決断力が低下する

 ・焦燥感、自責感が強くなる

 ・悲観的になる

 ・柔軟な考え方ができなくなる

 ・将来に希望がもてなくなる

からだのサイン

 ・眠れない、もしくは寝過ぎる

 ・食欲が低下する、もしくは食べ過ぎる

 ・だるい、疲れやすい、元気が出ない

 ・頭痛、頭重、めまい、吐き気など

①小学生に特徴的な症状

小学生と中高生の子どもではうつ病でも違いがあります。

小学生の子どもの方が、ADHDや素行障害(反抗的な行動をし続けてしまう病気)などとうつ病を併存することが多く、家族機能の障害(虐待など)とより強く関連しています。また、大人のうつ病に移行する可能性は少ないと言われています。

小学生の子どもの方が、まだ自分の症状を言葉にしづらいので、身体面に現れやすいです。お腹が痛い、頭が痛い、寝付きにくいなどの身体症状を訴えることがあります。

落ち込みがあっても通常の状態であれば回復できるのですが、うつ病の場合にはその状態が長時間(2週間以上)続くことがあり、そのような時にはうつ病の可能性を考えてください。

②中学生〜高校生に特徴的な症状

中高生のうつ病は、他の精神障害と併存することが小学生と比べると少ないと言われています。家族機能との障害の関連が少なく、大人のうつ病へと移行する可能性も高いと言われています。小学生に比べると大人のうつ病と同じような病気と考えられています。

症状としては上記に書かれているような、気分の落ち込み、睡眠がうまくとれない、疲れやすいといったことが挙げられます。

中高生もまだまだ自分の事を言葉で表現する力がない場合もありますので、そのような場合は身体面の不調を訴えることが多いです。また、中高生ですと急激な成績の低下なども一つのうつ病の兆しと考えられます。

大人に比べて子どもの方が不安やイライラが目立つと言われています。このストレスを発散するために周りに当たり散らすために、わがままや第二次反抗期と捉えられてしまうこともあります。

子どものうつ病の原因

うつ病の発生の原因はまだはっきりとはわかってはいませんが、感情や意欲を司る脳の働きに何らかの不調が生じている物と考えられています。

うつ病を発症するきっかけとして、身体のストレスや精神のストレスが挙げられていますが、必ずしも悲しかったり辛かったりする体験だけでなく、進学や引っ越しなど嬉しい体験もきっかけになると言われています。

特に子どものうつ病は、勉強、友達関係、家族関係、近しい人の死など、周囲の環境に大きく影響を受けます。

大きな災害や不慮の事故なども原因となり得ますし、近年はコロナウイルスの影響で子ども達を取り巻く環境も大きく変わりました。休校や移動の自粛など、自分たちではどうにも解決できないストレスに大きく影響を受けていることも原因の一つとなります。

大人ももちろん周囲の環境に影響を受けてうつ病を発症することがありますが、子どもと比べると環境から抜け出す力があります。子どもは置かれた環境から離れることが難しい分、環境から受ける影響が大きな原因となり得ます。

子どもがうつ病かもしれないと思ったら

うつ病の前兆としては、元気がない様子が長く続く、ネガティブな発言が増える、成績が急激に下がる、といったことが挙げられます。

もしうつ病を発症していなければ、休息をゆっくり取ったり、好きなことをして気分転換をすることで、また元気になることが多いです。土日や夏休みなど大型連休でゆっくり休んでもなかなか回復しない場合は、要注意です。

うつ病の子どもは部屋に閉じこもったり、コミュニケーションを億劫がる様子も見られます。朝起きられない、食欲がないなど身体的な症状を多く訴えるのも特徴の一つです。

受診の目安としては、休息をゆっくりとっても体調や気分の落ち込みが回復しない様子であること、またこれまで子どもが興味を持って取り組んでいたこと(ゲームやスポーツなど)に取り組まなくなったなどの意欲減退が見られたときには、児童精神科への受診を検討しましょう。

子どものうつ病の受診先

子どものうつ病の受診には、児童のことを扱っている児童精神科への受診をおすすめします。

しかし児童精神科は全国的にもたくさんあるわけではないので、児童精神科が見つかりにくいかもしれませんね。もちろん小児科や大人の精神科でも受診できますので、念のため電話で確認した後での受診をおすすめします。

また、こころの相談窓口として、地域の保健所や保健センター、精神保健福祉センターなどもあります。こちらの相談先は行政が行っており、無料で受けてくれますので、まずはこちらに相談してみても良いですね。

治療法としては、カウンセリングと抗うつ薬などの投薬を組み合わせたものが多いですが、うつ病が軽度~中度の場合にはカウンセリングでの心理教育、認知行動療法をすることが多いです。

うつ病の状態を認識して、ゆっくりと休養を取ることが大事です。服薬では漢方薬などが処方されることもありますし、服薬に抵抗があるときは医師にその旨を伝えたら希望を聞いてくれますよ。

症状が続くのは平均9か月程度、治療期間としては1年程度と言われていますが、個人差があります。完治した後も再発することもありますので、丁寧な経過観察が必要です。

家族としての接し方

うつ病の治療を始めても、すぐに回復するわけではありません。治るまでに、良くなったり悪くなったりの波を繰り返して少しずつ回復していきます。

早く元気になってほしいためにどうしても「がんばって」と励ましたり、気分転換のために外に連れ出したくなりますが、子ども自身が励ましにこたえられないと自分を責めてしまうこともあります。

子どものうつ病を受け入れ、回復をじっくり待って、子どもの話を良く聞いて見守ることが大切です。

うつ病になって意欲減退すると学校に行くことも難しくなり、教育を受けられないことに不安を感じるかもしれませんね。

部屋から出ることが難しくなり、運動不足になることを心配するかもしれません。

しかし、うつ病で大切なのはまずは休養を取ることです。しっかり休んでいると少しずつ本人も意欲が回復してきます。

焦らずその時期を待って、本人のペースでできることをやっていきましょう。子どもは意欲が回復すれば、勉強や運動など伸びるペースも大人に比べるとずっと早いです。子どもの力を信じて回復するのを待ちましょう。

学校への登校が難しい場合には、フリースクール、オンライン授業などの自宅で勉強できるサービスも増えています。タブレットを使って授業を受けて学習するといったサービスもありますよ。学校以外での学習方法を探してみるのも良いですね。

公認心理師からの一言

もしお子さんがうつ病かもしれないと調べてこちらのページを見つけてくださったという場合は、とてもお辛い気持ちかと思います。

子どものうつ病は近年より研究されるようになってきており、決して珍しい病気というわけではありません。病院に受診することで、良い治療が受けられて良い状態に回復できると思いますので、ぜひ一度受診を考えてみてくださいね。

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Miho

大学院にて子どもの発達や母子愛着について学んだ後、臨床心理士・公認心理師になりました。児童相談所や教育相談センターで親子相談に関わった後、自らも出産し実際に子どもを育ててみて、その大変さを感じています。多くの人が楽しく子育てできるようにお手伝いすることが自分の夢です。

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